噴発防止システムの概要
発達・進歩の著しいシールド工法において生まれた噴発防止という技術。
ここではその噴発防止という技術と方法、材料の紹介をします。
噴発とは・・・
泥土圧式シールド工法では、シールドマシンのチャンバー内の圧力と掘削地盤の圧力(地下水圧+土圧)のバランスを保ちながらスクリューコンベアで排土します。下図のA=B(C=D)の状態。
対象地盤が砂礫層を含む互層であったり、地下水を多く含んでいたりすると、このバランスが崩れ易く、スクリューコンベアのゲートを開放したとき、多量の水と土粒子が勢い良く飛び出します。これを噴発と呼びます。
※泥水式シールドでは密閉された管内を送泥水と排泥水が循環するため、噴発は発生しません。
シールド掘進時の模式図
ひとたび噴発が発生すると、そのバランスを取り戻すには困難を極めます。さらに、シールド坑内(作業エリア)は密閉空間であるため、連続して大規模な噴発が発生してしまうと、構築したトンネル内が水混じりの土砂によって埋まってしまい、大変危険な状態になります。
噴発を防止するために
噴発はゲートを解放した時に発生するため、スクリュー内の土圧がスクリューゲートに向かって徐々に減少するようにプラグゾーンを形成すれば噴発を防げます。
噴発防止技術
以下は一般的な泥土圧式シールドの模式図です。チャンバー内の掘削土砂はスクリューコンベアを介し、ベルコンへ排出され、ズリ鋼車にて坑外へ運搬されます。
噴発防止剤を添加することで、スクリュー内でプラグゾーンを形成し、ゲートを解放した際の噴発を軽減します。
噴発防止剤添加ポンプ及びストックタンク
※添加ポンプは一例です。
※掘削の規模に応じて適切な能力のポンプを選定します。